株式会社プロシード(以下、プロシード)は、コンタクトセンターのサービス向上を目的として総合的なCXコンサルティング、COPC認証取得支援を展開している企業です。
新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、例年開催していた同社の一大イベントをオフラインからオンラインに切り替えて実施しました。オンラインイベントの開催を通して、管理部部長の長内範子氏にどのような収穫があったのかお聞きしました。
オフラインからオンラインの移行は暗中模索だった
プロシードでは、毎年11月に「プロシードベンチマークサミット」というイベントを開催していた。クライアント企業を招待し、授賞式や新規認証企業の表彰を行い、事例紹介を含めたセッションを用意していた。クライアント企業への感謝の気持ちを込めて行う、感謝祭という側面も持ち合わせていたイベントである。2020年11月に開催予定の「プロシードベンチマークサミット」の企画を始めたのはちょうど7月頃。
管理部部長 長内範子氏
管理部部長の長内範子氏は次のように話します。
「コロナが収束するのかも見通しの立たない中、オフラインからオンラインへの切り替えを検討し始めました。しかし、何をどうすればいいのか全くわからない状態でした。オンラインへの切り替えが可能かどうかも判断がつきませんでした。」
そこで複数社にイベント運営に関して相談を行いました。
イベントの会社に丸投げではなく、一緒に作っていける会社を選定
複数社からの提案は、プラットフォームの使用を前提としたオンラインイベントやパッケージ化されたオンラインイベントが多かったという。そんな中、大手・中堅イベント会社でもないマーケティングを専門としている弊社を選んだ理由を次のよう話す。
「色々なツールやプラットフォームを探してきてもらえました。それぞれを使用したケースごとに案内いただけたのは大きかったです。」(長内氏)
まずは、プラットフォームを使用した場合とプラットフォームを使用しない場合など要望に合わせた提案力を高く評価した。さらに丸投げをせず、自分たちでも手を動かして、考えて、成長していきたいと考えていたという。
「パッケージ化であると、金額的な面でも調整が難しいと感じました。自分たちがやりたいイベントをバジェットの中で調整してもらえないと思いました。細かいところを相談して、ベンダー企業とも一緒に作り上げていきたいと考えていました。」(長内氏)
例年のイベントから新たな可能性を見出したオンラインイベント
もともと「プロシードベンチマークサミット」は、多くのクライアント企業に直接にお会いでき、親睦を深めるようなことも目的としていたイベントだった。オンラインに切り替え、直接のface to faceでお会いすることはできない。しかし、新たな可能性を見出すことができたという。
「今までリアルなイベントは定員制で300名を招待し、大体200名くらいにお越しいただいていました。今年はオフラインに切り替え、登録が500名近くありました。」(長内氏)
イベントの集客力は、圧倒的にリアルのみを上回った結果となった。それ以外にも、開催期間は1日から5日に変更し、セッション数は3から20セッションに増やした。それにより副次的に得られることが多くあった。
「講演者を増やしたことで、講演企業とも連携が図られるようになりました。今まではクライアント企業の業界にも偏りがありましたが、新しい業界との連携の兆しを見ることができました。」(長内氏)
リアルであれば、来場者が観くないセッションでも強制的に観ていただけてしまう。しかし、オンラインであれば、観たくないものは観なくなる。 コンテンツを考えるとどうしても講演がメインになってきた。そこは良い意味で従来の感謝祭からオンラインに合わせて、有益な情報を届けることに切り替えることができたという。しかし、感謝祭のあり方、自社のソリューションの案内をどのような文脈に乗せて、コンテンツにするかは今後の課題にもなった。
また代表取締役社長の根本氏はアンケートデータに基づいて、来年に向けて戦略を立てている。イベント形態に関して、「オンライン型」「オンライン&来場型(ハイブリッド)」「来場型」のどれがいいかアンケートを行った。「オンライン型」「オンライン&来場型(ハイブリッド)」がほとんどで、「来場型」のみを希望する者はいなかったという。
大きいイベントを軸に、クライアント企業やお問い合わせをいただいた企業と関係を構築していく全体像を考えるきっかけになったと話す。
「授賞式や自社のソリューションに関しては、視聴数がセッションと比べて落ちました。来年の仕組みで改善していきたいと考えています。リードの活性化・獲得、登壇企業との連携など得られたことが多かったという意味でも今回のイベントは成功でした。」(長内氏)
プロシード様に初めてのオンラインイベントについて、インタビューさせていただきました。コロナの収束の目処も立たない中、状況に合わせて対応していく必要があります。会社に足を運ばないでもリモートで仕事ができることは多くの企業で証明されているでしょう。しかし、「コミュニケーションを取ること」と「仲良くなって信頼関係を作ること」も必要です。イベント自体の満足度の向上はもちろん、オフラインでもオンラインでもイベントをきっかけにコミュニケーションを図れることがイベントのメリットなのだろうなと感じました。
取材協力:株式会社プロシード 代表取締役社長 根本直樹氏
管理部部長 長内範子氏